7月17日に第93回筑後眼科研究会を行いました。新型コロナワクチン接種で少し安心感が出てきてはいますが、油断せずに今回もWeb開催形式で行いました。
久留米大学眼科の佐々木、辻、岩田各先生の一般講演のあと、特別講演1では大阪大学の西田幸二先生に「眼の再生医療」のタイトルでご講演頂きました。
角膜上皮幹細胞疲弊症は角膜輪部が傷害され、角膜上皮幹細胞が完全に消失する難治性の疾患です。西田先生はこの日常診療の問題点を解決し、自らの手で新しい治療を実際に実現するという過程を見事にお示し頂き、大変感動的でした。さらに、新しい眼科医療を創出する挑戦をうながす若い先生方へのメッセージも頂き、心に残る御講演となりました。
引き続いて特別講演2では大分大学眼科の久保田敏昭先生に「緑内障眼の前房隅角の診断と治療介入」のタイトルで、ご講演頂きました。
緑内障病態を考える上で重要な前房の組織学的写真をふんだんに提示いただきながら、MIGSなど緑内障治療の奏功機序と適応などを大変わかりやすくお示し頂きました。さらに血管新生緑内障、落屑緑内障などの続発緑内障に対して分子生物学や分子遺伝学的解析により危険因子や確定診断を行い、治療成績の向上を目指されていることをお示し頂きました。
現在、新型コロナ変異株感染が再拡大する懸念がありますが、今回もWeb開催により、感染を全く気にすることなく、ご講演に集中することができました。私達もWeb上での質疑応答にも慣れ、大変活発な研究会となりました。西田先生、久保田先生、Web上でのご講演、本当にありがとうございました。
久留米大学眼科では、今後とも先端知識をアップデートし、引き続き最善最良の眼科医療を目指していきたいと思います!
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