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執筆者の写真久留米大学医学部眼科学教室

第10回九州DMEフォーラム (6/29開催)のご報告

更新日:10月1日

去る6月29日土曜日、TKP博多駅前シティセンターにて第10回九州DMEフォーラムが開催されました。


今回は記念すべき第10回という節目でもあり、自治医科大学の髙橋秀徳先生、旭川医科大学の長岡泰司先生のおふたりを特別講演にお招きして、あいにくの雨模様でしたが多数の参加を賜っての開催となりました。

自治医科大学の髙橋秀徳先生からは「最近の網膜AI動向」について御講演頂きました。近年のトピックであるAI(深層学習(DL))の歴史を振り返りつつ、第4次産業革命に乗り遅れないために出来ることは何かという課題と、自らAI分析のための合同会社を設立され眼底カメラ画像のみから視神経乳頭陥凹の程度を予測できる「逸脱可視化AI」を商品化された経験をお話し頂きました。国内のみならず成長著しい諸外国にも目を向け、商業的にも持続可能な我が国の研究成果や技術を発展させていくという気概を感じる、日ごろの臨床ではなかなかお目にかかれない貴重な内容でした。

特別講演2は「持続可能な糖尿病黄斑浮腫治療を目指して~治療法の最適化のポイント~」と題して、旭川医科大学の長岡泰司先生から眼循環から見るDMEについて御講演頂きました。網膜内層は酸素分圧が元々低くVEGFの産生を抑えるため網膜内液の体積管理が大切であるという話や、抗VEGF薬の出現により悪化を和らげる”治療から”改善させる”治療へ進歩したものの治療抵抗性例の存在、そして距離的、経済的理由で定期通院が困難な実例についてもお話し頂きました。道北には広大な地域に注射可能な施設がほんの数か所しかなく、毎回3-4時間かけて数百キロを車で通院される患者さんや豪雪のため先生ご自身が往診中に遭難してしまった話など、アドヒアランス向上と言っても事情があるという事を深く思い知らされました。

活発な議論があり参加者全員の関心の高さが伺える講演だったかと思います。個人的にも地域や国を越えた多方面からの貴重なお話を伺う事ができ大変勉強になりました。今後の日常診療に役立てていきたいと思います。

(文責 岡 龍彦)



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