9月2日に第15回筑後黄斑疾患研究会を行いました。今回も残念ながら新型コロナ感染第7波が収まらず、Web開催となりました。
今回は高齢化社会に伴い増え続ける加齢黄斑変性について京都大学の辻川明孝教授に「加齢黄斑変性診療のススメ」のタイトルで御講演頂きました。辻川先生は国内外で著明な黄斑疾患のエキスパートでいらっしゃり、数年前からご講演をお願いしていましたが、ご多忙のため叶わないままでした。今回念願がかない、やっとご講演頂く事ができました。
まず、予防の観点から早期AMD診療のススメとしてreticular pseudodrusen, calcified drusen, confluent drusen, drusenoid PEDなどドルーゼンに関した多彩な症例写真を呈示されながらAMD進行の危険度を大変わかりやく説明されました。次に滲出型AMD治療のススメとして抗VEGF薬治療の大規模臨床試験を丁寧に説明された後、フルイド、線維化やタイプ2CNVが高度で特に変動が大きい場合視力予後が不良になる可能性があり、積極治療が必要であることを示されました。さらにPachycohoroid neovasculopathyはアジア人に多く比較的視力予後良好であること、Pachycohoroidは抗VEGF薬併用PDTが効きやすく、黄斑萎縮が起きにくい事などをお話しされました。最後に最新のAMD治療としてブロリシズマブが滲出性変化やポリープ状病巣の退縮効果が高く、投与間隔も伸ばせる事など期待できる知見をお示し頂きました。いずれのトピックも文献的なエビデンスに基づきながら最新のAMD診療について包括的にお話し頂きました。まさに明日からのAMD診療に直結する大変有意義な内容でした。
辻川先生、大変お忙しい中御講演頂き、本当にありがとうございました!コロナの勢いもなかなか止まらない中での開催でしたが、今回も先端知識に豊富に触れることができ、感染を気にすることもなく大変贅沢な金曜の夜を過ごせました。
今日のお話しを早速明日からの診療に採り入れ、更なる治療成績の向上を目指していきたいと思います!
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