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執筆者の写真久留米大学医学部眼科学教室

第94回筑後眼科研究会 (7/30:Web開催)のご報告

更新日:2023年10月1日

7月30日に第94回筑後眼科研究会をWeb開催形式で行いました。

 特別講演1では佐賀市美川眼科の西村知久先生に「最近の白内障手術~トーリックIOLと多焦点IOLを中心に」のタイトルでご講演頂きました。

言うまでもなく白内障は高齢化社会に伴い増加し続けている疾患で、眼科手術が大変有用です。近年の白内障手術はトーリックIOLによる乱視矯正や多焦点IOLによるピント合わせも可能な手術へと発展しており、患者さんの視覚の質、生活の質向上に大いに貢献しています。西村先生はこれら先端的手術に積極的に取り組まれてきています。IOLのタイプによる術後乱視ずれのちがい、術後の見え方や料金などを含めた患者満足度アンケートの結果などを統計学的にお示しになりました。トーリックIOLと多焦点IOLを用いた白内障手術の現状と課題について大変勉強になりました。また西村先生は日本眼科医会の役職も務められており、スマートフォンやカラーコンタクトの適正使用の啓蒙や佐賀に多い肝炎の撲滅に向けた取り組みにも言及され、大変充実した盛沢山の御講演でした。

 引き続いて特別講演2では獨協医科大学埼玉医療センター眼科の町田繁樹先生に「ERGを使いこなす-最近の考え方-」のタイトルで、ご講演頂きました。

網膜電図(ERG)は他覚的に網膜の機能を評価できる重要な検査です。町田先生は専門外の先生にもわかるようにERGの基本的な考え方と国際基準についてお示し頂いた後に、AZOOR、Occult macular dystrophyなどERGが必須の疾患、抗VEGF治療後の加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症患者網膜の機能変化、腫瘍関連網膜症における有用性、など自験例を含めて大変わかりやすくお示し頂きました。


 現在、新型コロナウイルス変異株による第7波により再び医療環境があわただしくなっていますが、眼科医療は日々着実に進歩しています。今回も大変活発な研究会となりました。お二人の先生とも日々の診療をしっかり振り返ってまとめ、次の日常診療に生かされているのが大変印象的でした。西村先生、町田先生、お忙しい所貴重なご講演、本当にありがとうございました。

久留米大学眼科でも、お二人の先生を見習って今後とも日常診療を振り返りまとめて明日からのよりよい最善最良の眼科医療を目指していきたいと思います!




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