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執筆者の写真久留米大学医学部眼科学教室

第95回筑後眼科研究会(7/29開催)のご報告

更新日:2023年10月1日

7月29日に第95回目となる筑後眼科研究会をリアル開催しました。

 今回は眼感染症をテーマとして演者をお呼びしました。まず一般講演では教室の加藤喜大先生が「生菌検出と適正薬剤選択による術後眼内炎迅速診断への挑戦」のタイトルで当科における結膜常在菌の分布が変化していること、起炎菌や抗生剤耐性菌変異株の迅速診断構築の試みについて報告しました。

 最近はコロナ感染対策によるマスク装用により、眼内炎の起炎菌として口腔内細菌が検出されている例が報告されています。そこで特別講演1では松本歯科大学口腔細菌学講座の吉田明弘先生に「口腔細菌と眼感染症のインターフェース」のタイトルでご講演頂きました。

 口腔内には多様な細菌が存在しており、部位によって好気性菌や嫌気性菌の局在があること、LAMP法やPMAなどを活用した口腔内細菌の検出の努力を続けられてきたこと、口腔内細菌とdementiaが関連していること等をお示しいただきました。


 引き続いて特別講演2では近畿大学医学部眼科の江口洋先生に「眼感染症の温故知新」のタイトルで、ご講演頂きました。

 江口先生にはまず豊富な症例を提示いただきながら、感染性と非感染性角膜炎の鑑別のポイントを大変わかりやすくお示し頂きました。その上で第2世代-第4世代のシーケンサーを用いた先端的な診療についてお話頂きました。抗菌薬点眼で結膜フローラが予想以上に乱されていること、術前後の不必要な抗菌薬の使用が耐性菌の増加につながることなど示されました。

今回、抗生剤乱用による耐性菌の出現やコロナによる生活様式の変化など環境要因の変化も重なり、日々刻々と眼感染症の起炎菌や対応が変わっていることが大変よくわかりました。

 吉田先生、江口先生、お忙しい所貴重なご講演、本当にありがとうございました。


 福岡県南は第一次産業に従事されている方も多く、様々な眼感染症を経験します。久留米大学眼科でも、お二人の先生から教えていただいた貴重な知見を取り入れ、早速明日からの最善最良の眼科医療を目指していきたいと思います!




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